松本人志が『遺書』で語った面白い人間の3大条件は?

「松本」の「遺書」お笑い論

ダウンタウンの松本人志と言えば、言わずと知れたお笑い界の帝王です。

デビューして間もなく冠番組を手にし、未だにお笑い界の頂点に君臨し続ける、全ての芸人にとって憧れの存在です。

そんな松本人志は、1994年に発売した著書『遺書』の中で、芸人に向いている面白い人間の3つの条件をあげています。

おもしろいやつの三大条件 ネクラ・貧乏・女好き

松本人志『遺書』

①ネクラ

松本人志は、面白い人間の条件として、真っ先に「ネクラ」を挙げています。

人を笑顔にし、楽しませることのできる人間の条件が根暗というのは一見矛盾しているように思えますが、そうではありません。

松本人志が考える「面白さ」とは、表面的な明るさや楽しさとは異なるものなのです。

意外に思われるかもしれないが、おもしろい奴というのは自分一人の世界を持っており、実はネクラな奴が多い。夜中に一人でクレージーなことを考えていたりする。おもしろい奴とはどこか冷めている奴なのだ。逆に、明るい奴というのは楽しい奴で社交的だが、笑いの内容は薄く、あきられやすい。‘楽しい奴’が自分を‘おもしろい奴’だと勘違いしていることが非常に多いので、困ってしまう。

松本人志『遺書』

松本人志は自分一人の世界を持っていること、言い換えると「どれだけ他の人と違った考え方ができるか」を面白さの重要な要素だと考えています。

社交的でいつも友達と一緒にいるような人は、楽しい人ではあるでしょうが、自分だけの世界観を持っているとは言いづらいです。

それよりも、一人でいる時間が長く、世の中に対してあれこれ思考を巡らしている人間の方が自分の世界観を確立しやすいでしょう。

クラスの中心にいる人気者よりも、教室の隅にいて目立たない地味なヤツの方が、松本人志の考える「面白い人間」に近いのです。

②貧乏

松本人志が考える面白い人間の2つ目の条件は「貧乏」です。

人を笑わせることと、貧しいことは一見無関係に思えますが、松本人志はここにも関係を見出しています。

これは、あくまでもオレがそうだったから思うのかもしれない。とにかくオレは幼いころ、おもちゃを買ってもらった記憶が全くない。遊び道具のない子供は、自分でそれを作ろうとする。結局、想像力が豊かになり、頭を使って遊ぼうとするのだ。

松本人志『遺書』

笑いを生むためには想像力が重要であることに疑問は無いでしょう。

その想像力を育むために、貧乏であることが重要だと松本人志は考えています。

実際、兵庫県尼崎市で過ごした幼少期の松本家はかなり貧しい生活をしていました。

友人は自転車に乗ってどこかへ出かけている中、少年自体の松本人志は自転車を買ってもらえず、ハンドルを握るフリをして走り回る「エア自転車」で遊んでいたそうです。

裕福な家庭で育った人には絶対に考え付かない遊びです。

こうしたお金という制約から、頭を使って想像力で楽しむことを学べるというのが、貧乏が面白さに繋がる理由だと松本人志は考えています。

また、松本人志は「笑いは0円で作れる」という言葉も残しています。

③女好き

面白い人間であることの最後の条件は「女好き」です。

‘好きこそものの上手なれ’というが、女好きの奴は口がうまい。そう、しゃべりが達者なのである。

松本人志『遺書』

女性にモテるために、男性は色々なことを試みます。

外見を磨くためにオシャレや筋トレをしたり、お金を稼ぐために一生懸命勉強したりなど、女性にモテるためには様々な方法があります。

しかし、これらの方法はすぐに効果が出るものではありません。

そんな中、女性の気を惹くために最も簡単で即効性のある方法は、話術を磨くことでしょう。

口が上手い人は女性から好感を持たれやすいです。

そして、面白い話をすることにお金や時間は必要ありません。

そのため、女好きな人はトーク力を一生懸命磨き、喋りが上手くなる傾向にあるというのが松本人志の分析です。

総括

さて、皆さんは松本人志の考える3つの条件うち、いくつ当てはまっていたでしょうか。

通常の着眼点とは違う「面白さ」の条件で、非常に興味深い内容です。

もちろん、これらの条件に当てはまらなくても面白い人はたくさんいます。

しかし、日本のお笑い界のトップに立つ人間が考える「面白さ」の条件について知っておくことに損は無いでしょう。

松本人志がテレビ番組で見せた名ボケ・フレーズのまとめは以下です。

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