笑いの底が浅い「ゲラ」はつまらない?
「ゲラ」はよく笑う人のことを指す言葉です。
みなさんはゲラと聞いて、どういったイメージを持つでしょうか。
ゲラと聞くと、大声で笑うガサツなおじさんを思い浮かべ、「笑いのツボが浅くてつまらない人間」 「簡単に笑うチョロい人」といった悪いイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、ゲラだからといって冷たく切り捨ててしまってはいけません。
実はゲラの方が面白い人が多いという説もあるのです。
しかもその説を主張しているのは、ただの一般人ではなく、笑いのカリスマ松本人志なのです。
ゲラと想像力の関係
松本人志は著書『松本人志 愛』の中で、番組内で「天使の機長」というフレーズを使ったものの、いまいちウケが悪かったというエピソードを語っています。
しかし、その後、松本人志が頭に思い浮かべていた「天使の機長」を絵にすると、周囲の人はその絵を見て笑ったそうです。
松本人志はこうした出来事から、笑いを理解するにはある程度の想像力が必要であると考えるようになりました。
どんなに面白いことを言っていても、目の前の人がその内容のイメージを思い浮かべて想像することができなければ、笑いは生まれません。
笑いを生むためには、聞き手側にもある程度のリテラシーが必要なのです。
逆に言えば、他人の言ったことですぐに笑うことのできるゲラは、普通の人よりも想像力が豊かで、笑いの理解力が高い人なのかもしれないのです。
実際、松本人志は自他共に認めるゲラで、そのことも「ゲラ=面白い人」説の裏付けになっています。
人の発言に一切笑わないことで自分のお笑い力が高いと思い込んでいる人は、一度自分を見つめ直してみると良いかもしれませんね。
『ドキュメンタル』とゲラ
Amazonプライムで観ることのできる『ドキュメンタル』は、10人の芸人が集まって互いに笑わせ合い、笑った人から脱落していくという番組です。
芸人がプライドを捨てて全力で笑いを取りに行く姿が観れるこの番組は、非常に人気が高いです。
多くのシーズンが公開されており、続編が楽しみな番組です。
ドキュメンタルは番組の性質上、ゲラの人は勝ちづらく、早々に退場してしまいます。
松本人志の提唱する説の通り、序盤で退場してしまうゲラには面白い人が多い気がします。
千鳥の2人や野性爆弾のくっきーといった面白い芸人が参加する回もあるのですが、面白くて攻撃力が高いと同時に、ゲラであるが故に守備力が弱く、すぐに負けてしまいます。
面白いゲラが最初にいなくなり、なかなか笑わない芸人だけが残っていくのは、若干尻すぼみ感があります。
この辺りはドキュメンタルが抱える構造的な欠点なので、改良の余地があるかもしれません。
ちなみに、松本人志は『ドキュメンタル』には参加者としてではなくチェアマンとして登場しますが、もし参加しても自分はゲラだから瞬殺されると自ら発言しています。
Amazonプライムには、『ドキュメンタル』以外にも様々なお笑い・バラエティ番組がありますので、是非チェックしてみてください↓
『OMOJAN(面雀)』とゲラ
『おもしろ言葉ゲーム OMOJAN』は2012年にフジテレビで放送されていた、2つの単語を組み合わせて面白い組み合わせを考えるという言葉遊びゲームの番組です。
1998年放送の『松ごっつ』で行われた1コーナー『面雀』がゲームの原型と番組名の由来となっています。
実は上述の「天使の機長」も、この『面雀』で生まれた単語です。
『OMOJAN』では、各参加者に異なる単語が書かれた数枚のカードが配られ、お題となる全員共通の単語が公開されます。
各自がカードを1枚選択し、お題の単語に組み合わせ、その単語について説明することで面白さを競います。
ここで自分の想像力を膨らませ、それを相手に伝えるか苦心するというところが『OMOJAN』の見どころです。
『ドキュメンタル』とは逆に、想像力が豊かなゲラが有利な番組と言えます。
芸人の実力が如実に表れる面白い番組だったので、個人的には復活が望まれる番組です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ゲラこそが面白いというのは松本人志ならではの斬新な視点です。
言われてみればよく笑う芸人の中には、面白い人が多い気がします。
誰の発言でもすぐに笑うお人好しも、実はお笑い力が高い人なのかもしれないと思うと、世の中を見る目が変わりますね。
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