天才コンビの進化の軌跡!ジャルジャルがM-1グランプリで披露したネタまとめ

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はじめに

今回はジャルジャルがM-1グランプリで披露したネタをまとめたいと思います。

2018年にラストイヤーを迎え今は卒業しているジャルジャルですが、このコンビのM-1への取り組み方は少し変わった軌跡があったように感じています。

まず、ジャルジャルは元々コント師であったということです。

オールザッツ漫才で鮮烈なデビューをして以降、数多くのコントを作り、キングオブコントでも決勝進出の常連となっていました。

爆笑レッドカーペットでも多くのネタを残し、後進のレッドシアターでもレギュラーとなりコントを作り続けていましたね。

M-1グランプリとキングオブコントの両方で結果を残した二刀流コンビはサンドウィッチマン、かまいたちなど他にもいますが、決勝進出できるハイレベルなネタを量産し、両大会でファイナリストの常連になったのがジャルジャルの凄まじい功績ですね。

2つ目はジャルジャルが所謂デビュー当時からの天才であったことです。

松本人志は名指しでジャルジャルのネタが面白いと話したことが何度もあります。

キングオブコントで若い時から決勝の常連となり、その後M-1に挑戦をしていく中で天才としてデビューしたコンビの更なる成長の軌跡を魅せていったのがジャルジャルのドラマ性のあるところですね。

ジャルジャルがM-1グランプリで披露したネタ

「コンビニ」/M-1グランプリ2010

ジャルジャルは2009年、2010年共にキングオブコントの決勝に行っていましたが、M-1でのはじめての決勝進出は旧M-1最後の大会2010年でした。

この年は当時はM-1最終年と考えられていたため、笑い飯がどうなるのかなど話題が多かったですが、磁石やタイムマシーン3号、囲碁将棋のような過去に決勝に上がっていない漫才師たちに決勝に上がって欲しいというムードが強かったように思い出せますね。

そんな中、決勝進出者の中でジャルジャル、スリムクラブ、ピースの3組は準決勝でのウケがそれほど大きくなかったこと、漫才師のイメージが薄かったことから、決勝進出の時に批判の声もそれなりにあったと記憶しています。

一説によると、準決勝の審査員を務めていた倉本美津留がジャルジャルとスリムクラブの決勝進出を強く押したそうです。理由は「この2組は他のコンビや今までにない新しいことにチャレンジしているから」

そんな中、決勝に上がるとスリムクラブは優勝してしまうのではと勢いのある大活躍、ジャルジャルは後の決勝の常連になるのですから分からないものですね。

この年のネタはジャルジャルにとっては鮮烈なデビューとはいきませんでしたね。

ネタはコンビニ店員のやりとりをするのですが、今まで練習してきたネタなのでどういうボケがくるのかを分かってしまうとツッコミの福徳がバラしてしまうというネタ。

いわゆるメタ構造を利用したネタでしたね。このネタは漫才ではなくコントなのではないかとコメントする松本人志、79点という厳しい点数をつける中田カウスなど、そのネタの作り方に疑問符をつけるような評価が並びました。

このメタ漫才は漫才ではなくコントなのではないかという指摘に対し、「素の自分で喋るのが漫才だと言うけれど、自分たちはお互いのボケやツッコミを知っているのだから、自分たちの今回のネタは最も素の自分の気持ちを喋っている。なのでコントではない。」というコメントを残していますね。

漫才というものの形に提議をなすような発言であり、尖っているとも思いますが、ジャルジャルはこの発言、尖りを活かした唯一無二の漫才を今後作っていくことになるのです。

「言葉遣い」/M-1 グランプリ2015

新生M-1の1回目、2015年にジャルジャルは再び決勝に残ります。

前回との大きな違いは、この年のジャルジャルは優勝候補筆頭の漫才師としてM-1に帰ってきたことですね。

爆笑ヒットパラード2014で披露し、大きな話題となった言い回しをお互いに指摘し合うというしゃべくり漫才。準決勝でもトップウケでの通過だったようですね。

こちらが採点表ですが、決勝の会場の笑いの量ではジャルジャルとタイムマシーン3号が圧倒的だったように感じました。

ただ、点数にはばらつきが出て、相対的にジャルジャルを低評価したのは中川家礼二とますだおかだ増田の2人。デビュー当時から漫才を行い漫才にこだわりをもつ初代、二代目王者の漫才師2人からの評価をもらえませんでした。

礼二は細かいラリーであってネタの軸がないとのコメントを出していましたね。

2010年大会と同様、漫才としての形を指摘される形で再び定評価をもらってしまうことになりました。

2010年から漫才師としての腕を上げた2人ですが、それでもまだ足りず。優勝には手が届きませんでした。ここから2人は自分たちの才能をどう漫才としての形に落とすかという戦いを続けることになります。

あと、最終決戦ですが、明らかにウケが弱くなったジャルジャルに笑い飯哲夫が唯一投票していましたね。

自分たちのスタイルを持って戦うところが昔の自分たちに重なったと哲夫はコメントしていたようです。良い話だと思います。

「校内放送」/M-1グランプリ2016

1年置いて2017年にジャルジャルはm-1の決勝に帰ってきます。

ネタは「校内放送」、ピンポンパンゲームのネタと言った方がわかりやすいですね。

福徳の考えたピンポンパンを利用した謎のゲームを2人で行うというネタですが、そもそもゲームとては成立していますし、明確なボケがないネタです。

2人が作ったルールを観客が共有し、そのルールの出し入れで笑いを生み出すというとてつもなく高度なネタですね。

このネタを作った背景は、2010年2015年の敗退が大きく関わっているようですね。

過去のM-1 で「素の人間性が見えない」「作られたコントに感じる」といった批評を受け続けた2人の天才ですが、このネタを作る際には本来の自分たちがやりたいことはなんだろうということを改めて考え直したそうですね。

2人はネタ作りの際に台本を書かずに2人で話している時のふざけあいやボケ合戦からネタを構築するそうです。

また、それは2人がお笑いを始めたきっかけでもありました。ジャルジャルは同じ高校の同級生であり、放課後などに2人でずっと言葉遊びをしたりゲームでやりあいながらボケてネタを作っていたそうです。

2人で遊んでふざけ合う楽しさ、そこから2人はコンビを組みお笑いの世界に入ることを決めて天才コンビとしてデビューをすることになります。

本来自分たちがやりたいことに立ち返った結果、原点に立ち戻り2人でふざけ合う漫才でM-1の優勝を狙うというドラマがなんともあついものがありますね。

ただ、その結果は残酷なものでした。

デビュー当時から2人を認め続けていた松本人志からは相対最高評価の95点をもらいますが、全体の得点は6位

前回も評価が低かった礼二からは再び低得点と、「漫才に見えない」という一番厳しいコメントをもらうことになります。

漫才師礼二とコント師出身のジャルジャルは今回も交わりませんでした。ジャルジャルは礼二に対し、「舞台での中川家の漫才の面白さとウケの量はエゲツない。あれを見たら文句など言えない」とコメントしていました。

今回のジャルジャルでもう一つ特筆すべきは敗退時の福徳ですね。髪の毛を掻きむしって悔しがり、目には涙を浮かべていました。

デビュー当時から天才と言われ、評価をされ続けたコント師ジャルジャルがここまでM-1に本気で臨んでいたのかとここで初めて知った視聴者は多かったのではないでしょうか。

「国名分けっこ」/M-1グランプリ2018

ラストイヤーも決勝進出したジャルジャル、ネタは前回のピンポンパンゲームの流れのままゲーム性をさらに磨いた国名分けっこでした。

コント漫才にするわけでもなく、しゃべくり漫才をするわけでもなく、あくまで2人でふざけ合うことが自分たちのスタイルなのだと貫き、決勝の舞台で再び2人でのゲームをしました。

ただ、序盤にあったセリフが印象的ですね。

「子供のころの遊びを久し振りにやるとたのしいんですよね。例えば、鬼ごっこ、国名分けっこ、かくれんぼ、ケイドロ」

ノンスタイルの石田が考察していましたが、とても漫才らしいオーソドックスな入りですね。ジャルジャルは自分たちのスタイルを貫き通しながらも自分たちの発想を漫才を漫才としての形にすることに向き合い続けていました。


ジャルジャルは見事このネタで最終決戦進出をしますね。天才コンビが自分たちの原点に向き合い、漫才に向き合い、成長を続けてきた結果たどり着いた結果にはとても感動しました。

中川家礼二からは93点、ついに念願の礼二からも高評価をもらうことができました。

礼二「過去何度もM-1の決勝に出て、ずーっと形を変えなかった。その頑固さが凄いなと思いました。」

良いコメントですね。ジャルジャルは2010年に初めて決勝に行った時から自分たちにしかできない漫才を模索し続けていましたね。

この年、ジャルジャルは3位という結果を残しM-1を卒業します。

この年優勝したのは霜降り明星。デビュー当時から若き天才と言われ続け結成15年目となったジャルジャルに立ちはだかったのは、まるで昔のジャルジャルかのような新しい時代の若き天才でした。

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