目次
はじめに
現在お正月のTBSのお笑い番組といえば東西ネタ合戦がすっかり定着していますね。
ただ、その番組にはドリームマッチというダウンタウンが司会の伝説的番組が前身にありました。
ダウンタウン、さまぁ〜ず、ロンブー、くりぃむしちゅー、雨上がりなど現在MCを務めるような芸人、時には志村けんや内村といったレジェンド、千原兄弟、ブラマヨ、バナナマンといった当時の若手までが合間見えて即席コンビでネタを披露するというお笑い好きにはたまらない番組でした。
今回はそんなドリームマッチの伝説のネタを取り上げたいと思います。
ドリームマッチ伝説のネタ
ココリコ田中×さまぁ〜ず三村
記念すべき第1回目のドリームマッチで見事優勝を果たしたネタです。
他のコンビがそもそものキャラクターを活かしたりモノマネや仮装中心のネタをする中、田中が作り込んだ設定のコントに三村のツッコミが気持ちよくハマったこのコンビの優勝は当然ですね。
とある事件を目撃した男田中とそれを聞かされる友人三村という設定でコントは始まるのですが、時間の経緯を話す際に田中は登場人物は登場人物をA、Bとアルファベットに置き換えてイニシャルトークを始めます。
とある男が女を殴った現場を目撃した田中が男と女をそれぞれAとBに例えたところまでは良かったのですが、Cを自分に例え始め、その場にある壁や猫までもアルファベットに例えていき、事件の様相が全然伝わりません。
イニシャルトークという秀逸な設定に三村のキレのあるツッコミが冴え渡り即席コンビとは思えない完成度の高いコントを披露しました。
初のドリームマッチは田中三村が優勝をしましたが、この後三村は志村けんとのコンビでもう一度、大竹も出川哲朗と組んだ際に優勝を果たし、中堅芸人の中でもネタの力が飛び抜けているさまぁ〜ずの評価を確固たるものにする番組となっていくのでした。
ダウンタウン松本×タカアンドトシ トシ
第3回目からコンビを決める際にくじ引きではなくフィーリングカップルが導入されました。
それぞれ芸人が芸人をどう思っているのかがわかってとても楽しかったですね。
そこでうまれた新コンビはダウンタウン松本とタカアンドトシ トシのコンビでした。
当時タカアンドトシは欧米がでブレイクをした頃に飛ぶ鳥を落とす勢いでしたね、結果的にトシはこの番組でツッコミとしての名前を大きく上げた気がします。
ネタは漫才を披露、それもかなり本格的なしゃべくり漫才で、ダウンタウンが漫才をしなくなって以降では唯一松本人志が長尺の漫才ネタをしっかりした番組になっています。
欧米か!というツッコミを軸にしていますが、過去のダウンタウンのネタを彷彿させる松本独特のシュールなボケも多くあり、とても完成度の高いネタになっています。
途中松本がトシに高いところから落ちてる時の欧米か!の言い方をふるところがあるのですが、このへんは「あ研究家」をイメージさせますね。往年の松本得意のボケも多く入っています。
昨年は三村が松本に遠慮をしてしまいうまく交わらなかった例もありましたが、トシは堂々とキレの良いツッコミを披露しつつネタのリード役もやっていたのが本当にすごいです。
松本はこの後ラジオでこの漫才が芸人史上1番緊張したと語っていました。
自分がすべる分にはいいが、今ノッているトシにこのネタで迷惑をかけたくないと思いながら頑張っていたと話していましたが後輩思いの松本らしい良い話ですね。
出川哲朗×さまぁ〜ず大竹
第四回で優勝を果たした新コンビです。
設定は夜逃げ屋。大竹がおかしな人物になり、ツッコミ役を困らせるコントはさまぁ〜ずのネタでもよくありますが、ドリームマッチでも鉄板ですね。
フィーリングカップルではいつも人気がなかった出川哲朗をあえて選んだ大竹ですが、このネタは出川を活かすための設定の作り方が半端じゃないです。
夜逃げのために静かにしなくちゃいけない中で大竹が大きな鈴をつけてきたり携帯の着信音を爆音でならしたり大声で喋ったりととにかく自由に動きます。
それに対して出川は怒りながら大竹を止めるわけですが、静と動の対比でどんどん笑いをとっていきます。
出川のリアクションや自然なキャラクターを活かしながら3時間で面白いネタを作り上げる大竹のコント職人としての能力が光るネタです。
内村プロデュースなどでも何度も共演していてウッチャンを中心にした関東芸人の2人がドリームマッチの優勝を飾るというのはなんとも感慨深いものがありました。
出川をフィーリングカップルで指名した際の大竹のコメントが
あえて、ハズレを引いてみようかなと
他の芸人が外れ枠と決めつけていた出川とのコンビで優勝をするというのがなんともかっこいいですね。関東随一の実力派コント師である大竹のプライドが感じられました。
雨上がり決死隊宮迫×ネプチューン堀内
ドリームマッチ2009で生まれた名コンビです。
堀内のキャラを活かす意味もあり漫才にチャレンジしたこのコンビですが、マイクを勝手に動かしたり、コントインの際の設定を無視したりするホリケンに宮迫が翻弄されます。
宮迫はアメトーーク などでもそうですが、自由なボケ芸人への対応がとてもうまいですね。
ホリケンの暴走により漫才はめちゃめちゃになっていきますが、ネタとしての枠組みはしっかりあり、お互いのキラーフレーズでしっかり爆笑をとります。
ホリケンのキャラクターをしっかりとしたネタに昇華させて大きな笑いをとったのが見事なコンビでした。
キャイ〜ンウド×次長課長井上
井上はドリームマッチで猛獣使いの呼び声を欲しいままにしていました。
携帯ショップにヘルシオを買いに来たウドと店員役の井上のコントです。
途中で井上からのウドに対する扱いが本当に面白いです。笑
「帰るー」「森に帰るー」「街の人に追われるー」「山の中、ヒッソリと暮らすー」「おれがいたらー街の人に迷惑かかるー」「おれは噂」「もともといない」
このような形で井上がウドに囁きウドがそれを復唱するのですが、ウドのことを完全に化け物扱いしているのが面白く、見ている芸人も井上のセンスに感心しているような表情をしていました。
井上のボソボソとしたツッコミはキャラクターの乗ったボケとよくマッチしますね
ダウンタウン松本×ウッチャンナンチャン内村
ドリームマッチが生んだ最大のドリームコンビといえばここでしょう。
特番などで共演するだけで大きな話題となるダウンタウンとウッチャンナンチャンが共演はおろか、ネタ作りを行なってそれを舞台で披露するというのはまるで夢物語のような話です。
ダウンタウンとウッチャンナンチャンは夢で逢えたらという番組で若手の頃共演をしていて、松本はラジオなどでも度々内村のことを話題にしています。
お互い若手の頃に苦楽を共にした同期のような存在、それが数十年ぶりにネタを披露するとフィーリングカップルで決まった時の会場の興奮はテレビで見ていても凄かったです。
ネタは立てこもり犯に対して八曲がり署という警察署から何人もの刑事が立ち向かっていくという内容です。
変に設定を凝らしたり、松本のセンスあふれるコントではなく、どちらかといえば内村の世界感であるベタなキャラクターコントにこの2人が挑戦するというのがなんとも熱いです。
松本が登場時におしりを半分出して登場した時は、この舞台にかける本気度と目の前の笑いを全力でもぎ取ろうとする芸人としての矜持を感じさせてなんとも熱いです。
内村も得意のジャッキーチェンのものまねや、転び続ける男など、過去のコント番組でも披露したキャラクターで爆笑をもぎとります。
松本本人も認めていたところではありますが、内村がコントインしたときの憑依の仕方は凄いですね。20年以上コントを作り続けて来た実力はすごいものがあります。
結果は当然の優勝。ドリームマッチにベテラン芸人が参戦するのはこれが最後となりました。
まとめ
やはり司会業を務めるような大物芸人はいざネタをやったとしてもその底力は凄いんだぞと感じさせる素晴らしい番組ですね
松本はドリームマッチはツッコミの大会だと形容していましたが、即席コンビでもお互いの色を出し質の高いコントを作り出す姿は本当にカッコいいです。
松本、内村といったレジェンドの魅力、さまぁ〜ずの実力、若手世代の井上やトシの台頭など、様々な世代の芸人が力を見せる素晴らしい番組だと思います。
個人的には現在のかまいたちや和牛など実力派芸人たちでまたこの企画を見たいなと切に思っています。
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