映像研には手を出すな!登場人物と名セリフまとめ

その他

はじめに

映像研には手を出すな!というアニメをみなさんご存知でしょうか。

NHKアニメで再放送が組まれたり、湯浅政明監督の6年ぶりのテレビシリーズと話題になり先日最終回を迎えました。

原作は現在も続いているコミックスであり、アニメ化当初から話題になり、作品としての評価も高く、著名人にもファンが多い作品になっていますね。

今回はそんな映像研には手を出すな!についてのご紹介と個人的に思う名セリフの数々をご紹介したいと思います。

映像研には手を出すな!とは

魅力

女子高生3人が映像研究会を立ち上げ、アニメを作成するドラマを描いたアニメです。

この作品は当初アニメ化は難しいのではないかと言われていました。

アニメの持つ高揚感、アニメ作りの産みの苦しみ、苦労して作ったアニメ作品のカタルシスをまさにアニメーションで再現するという難しさからです。

監督は天才湯浅政明だったことから実現できた表現でしょう。

このアニメの魅力はアニメ作りの行程を詳細に繊細に描いているところと、主人公たちのアニメへの思いに見ている側もひたすら没入できる非現実感のある描写の数々だと思います。

そして、アニメ中に主人公たちが苦心して作ったアニメ映像を実際に流してくれることでカタルシスを味わうことができるのですね。

また、独特のセリフの言い回しが面白く嫌味のない映像研のキャラクターも大きな魅力になっています。

登場人物

この作品の登場人物は主に3人います。

浅草さん

今作品の主人公、幼少期より絵を描き続ける、アニメが大好きな少女です。

アニメーターを目指す人は人物を描くのが好きな人が多いそうですが(後述する水崎さんもそうです。)

浅草さんは舞台の背景や、機械、建物など設定を考えるのが得意です。

浅草さんの理想はアニメで自身の考える最強の世界を作ること、そのために設定が命と豪語しています。

アニメ作りでは監督の位置になりまして、音響や演出、ストーリーまで考えます。

独特のセリフ回しとキャラクターが特徴ですね。金森さんとは中学生の頃から出会っていて、一話で人物を描くのが得意な水崎さんと出会うことでアニメ作りの部活の立ち上げへと話が進みます。

アニメでは、度々浅草さんの考える世界が具象化され3人が水彩チックに描かれる世界に没入することで話が進みます。

金森さん

3人組の中では唯一アニメの作画を行わず、アニメへのこだわりも薄いキャラクターです。

銭勘定やビジネスが大好きで、映像研のなかでは機材を仕入れたり、他の部活や先生との交渉を行ったりスケジュール管理を行ったりとプロデューサー的立ち位置で活躍します。

頭がとても良く口も達者なキャラで、主人公たちのピンチや苦悩を打開する名シーンを多く作る人気キャラクターです。

アイシールド21のヒル魔に通ずる魅力がありますね。

水崎さん

水崎さんはカリスマモデルとしての一面もありながら、アニメーションが好きで作画を行います。

浅草さんが舞台設定にこだわるのに好対照に、彼女は動きや絵としての書き込み、リアリティに強いこだわりを持っています。

アニメではなくアニメーションを作りたいという彼女は絵も手書きにこだわり、わずか4カットのシーンに一週間も作画に没頭するなどアニメーション描写に思い入れを持っています。

アニメで煙のたつ様子やチェーンソーの刃が動く様子を書く時も、細部にこだわり続けて作画を行います。

名セリフ

キャラが動いて背景と密着することで世界ができる/浅草さん

この丸っこいだけの簡単なメカが浮き上がるという事実を、得体の知れない反重力装置の細やかなディティール描写と、手で持ち上げるんじゃよ。エンジンのかかりにくい車を押すみたいに。目に見えるアニメーション描写でリアリティを醸し出しとるんじゃ。この肯定感、場所の説明、走って戻れるのんびり感、主人公の頼もしい能力!この巨大感!対比のためにくどいほどすれ違う小さな飛行艇、空気中に舞い上がるゴミで推進力が働いているのがわかるのじゃよ。そしてこの風圧感!逆らって傾いて斜めに走るも流されて!ここ!!あり得ないことが説得力を持ってあり得るように見える、リアルと、その上に乗っかったわかりやすく大きな飛躍!キャラが動いて背景と密着することで世界ができる。未知の世界を走り回るこの冒険感!

アニメ第一話での主人公浅草さんの長尺の名シーンです。

未来少年コナンそっくりなアニメを見た際の浅草さんの感想の独白です。

わずか15秒ほどのシーンですが、アニメへの愛情と造形の深さを感じさせるセリフですね。

湯浅監督の作品には理屈っぽいキャラの長尺の言い回しが多く登場しますが、圧倒的な文化的アーカイブを見た際の高揚感を刺激する名シーンになるものがとても多いです。

未来少年年コナンをモチーフにしたアニメを鑑賞するのと、このセリフは原作のコミックスにも同様のシーンがありますが、内容はアニメでかなりオリジナルになっています。

一説によると湯浅監督は過去に宮崎駿アニメに影響を受けた経緯があり、監督の自己投影を入れたセリフに改編されているようですね。

このあたりも興味深いところです。

私は私を救わなきゃいけないんだ/水崎さん


チェーンソーの振動が観たくて死にかかってる人がいるかもしれない。 私はチェーンソーの刃が跳ねる様子を観たいし、そのこだわりで私は生き延びる。大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなくちゃいけないんだ。

水崎さんの名言です。アニメを作る際に水崎が最も大切にしているのはアニメーション、以下に詳細に動いているかというリアリティです。

彼女はアニメを描写する際に自分で動いて見たり、実際に見た際のリアリティを何よりも大事にしています。

金森さんに細部の動きを見ている人などいない、無駄なこだわりなのではないかと言われた後の一言。

大半の人が見ていなくても誰か見ている人がいるかもしれないというこだわりが生んだ格好良さですね。

この後、水崎は自身のアニメ制作に反対している両親に作品を見せることになるのですが、アニメの中の走り方や箸の持ち方で両親がこの描写は水崎が描いたものだと悟るシーンがあります。

予期せぬところでの有言実行感が格好良いですね。

そのこだわりで私は生き延びる

水崎のアニメーターとしてのプロ意識と矜持を感じさせる名言です。

苦しくなってきた。誰かに非難されるのではないか/浅草さん

物事には意味がある。対怪獣用ロボット、待て、本当にこのままでいいのか。何となく目を背けてきたが、腕を組めなくて真上を見上げられない構造で良いのだろうか。パイロットの安全はこれで守られるのか。苦しくなってきた。誰かに非難されるのではないか。

主人公浅草さんの心の吐露です。

浅草さんは最強の世界を作り出すために絵を描いていて、設定こそが命と豪語しています。

そのため、物事の道理や事象に対し現実にあり得るのかという視点を常に持っています。

ロボット研究会からアニメ制作の依頼を受けた際に見た目の派手さや分かりやすさを優先した結果現実的にあり得るのかという視点に立ってしまった際の一言。

ロボットの造形があり得るものなのかと設定や背景を考えた時生じる矛盾から生まれる苦しみです。

誰かに非難されるのではないかという産みの苦しみは共感できる人も多いのではないでしょうか。

先に取り上げた水崎さんの名言にも通じますが、こんなのは誰も気にしないと逃げてしまうことはとても簡単です。

ただ、作り手が愛情やこだわりを注いだ瞬間に誰かがここに気づくかもしれないという恐れ、非難されることの不安が襲いかかります。

誰よりも設定にこだわるが故に産みの苦しみを吐露する素朴さがとても良い名言ですね。

金を貰って責任を持つのと、金を貰わず責任も取らないのとどっちが健全か言ってみろ。/金森さん

部活でアニメ作りを依頼された際に金森さんのお金についてのやりとりに批判的な言葉を言った浅草さんへの一言です。

アニメにこだわるあまり作画が遅れ、納期を守らない浅草さんと水崎さんに時々金森さんは厳しい言葉を言いますが、納期まで完成させることや相手の期待に応えることの責任感を誰よりも持っているが故なんですよね。

お金についてもシビアな考えをもっており、その理由には幼少期にとある酒屋で働いていた経験があることが作中で明かされます。

部活動ということあって生徒会や教師からの逆風もときにある映像研ですが、そう言ったトラブルを率先して解決してくれる頼もしさと説得力が金森さんの魅力ですね。

他人なんて関係ない。なぜならあんたは監督なんだ/金森さん

他人なんて関係ない。あんたはあんたが満足できるロボットを好き勝手描く以外に選択肢は無いんすよ。だが、出来上がったものがクソ面白くなかったら責任は全部お前にあるからな!なぜなら あんたは監督なんだ

前述した浅草さんがロボットアニメを考える際に、だれかの批判を恐れて作成をやめようと言い出した際に金森さんが放った熱い名セリフです。

浅草さんは過去の描写が描かれることが時々あるのですが、内向的で友達もいなかった時代が長かったようです。

その結果自分の最強の世界作り、アニメに没頭することになるのですが、設定や描写にこだわりを持つ故に他人からの批判も恐れる弱さも持っています。

そこでのこのセリフ、他人なんて関係ないという力強さと責任を持つのはお前だという残酷さを併せ持ったセリフですね。

正解のないなか自分を信じて突き進むアニメーターのプライドと崇高さを感じさせる名セリフです。

まとめ

映像研には手を出すな!はストーリーもキャラクターもとても面白く毎週楽しみに見れるアニメでした。

是非みなさんにも見て欲しいです。

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