「〇〇年はレベルが低かった」「〇〇は漫才面白くない」〜島田紳助が2010年M-1直後に語っていた振り返りがすごい〜

テレビ番組

はじめに

以前、島田紳助がNSCで漫才について語っていた動画の話から考察記事を書いたことがありました。

紳助はM-1の創設者であり、分析家でもあることから漫才への考察がとても奥が深くて面白いんですよね。

そんな紳助ですが、実はM-1が2010年まで終了してから引退をしてしまうわずかな期間に過去のM-1の全10大会について考察と感想を話すという貴重な映像を撮影していました。

これはDVDの特典映像なのですが、優勝コンビを中心に紳助が自身の感想や考察を述べる貴重な動画となっています。

全てにおいて見所たっぷりな動画ですが、今回は特に印象的な部分をまとめたいと思います。

島田紳助によるM-1総括

2001年大会について

初年度の年については、M-1の審査員について主に語っていました。

自分らが若手の頃の賞レースは芸人ではない文化人が審査員を行うものが多く、酷評されることにお前らに言われたくないと悔しい思いをしてきた芸人が多かったようですね。

漫才の復興をかけて誰にも文句を言われない審査員を集めて大会を行うことが重要だったそうです。

初年度の中川家と二回大会のますだおかだについては関西でも実力のある2組でしたのでここが順番に優勝をしたのは極めて順当であったと語っていました。

ただ、初期の方はまだM-1の戦い方が確立していない部分が多く、新しい漫才の発掘というテーマで戦いが刷新されるのは2003年ごろであったと語っていましたね。

フットボールアワーについて

フットボールアワーについては、2002年に登場した際に、たった1年間で漫才とはここまでレベルが上がるのかと感動したと話していましたね。

過去に見たコンビの中でも一年間での成長度合いは2001年→2002年の間のフットボールアワーが一番すごかったとのべた褒めをしていました。

ただM-1を存続させていくためには吉本興業だけが優勝をするのは良くないと感じていたそうで、2002年のますだおかだとフットボールアワーはどちらでもよかったが、松竹芸能のますだおかだに優勝をした欲しかったと話していました。

南海キャンディーズについて

2004年大会について語った際にアンタッチャブルは力があると褒めた後、南海キャンディーズは準優勝をしたけど、そんなに面白くないし上手くもないと話していました。

そんな南海キャンディーズがなぜ準優勝したかというとM-1の舞台には他にすばらしい直球ボールのような漫才ばかりであり、8組他がそうだと南海キャンディーズの漫才がまるでチェンジアップのように生きてくると話していました。

戦争映画の名作を8本見た後に重たい気持ちになったら、それほど面白くないコメディ映画でも面白く感じて笑ってしまうと例えていましたね。

同時にスリムクラブについても同様の現象が起きていたが、審査をしているときにはわざと意識してゆるい抜いた玉のような漫才をする技術があるのか、単純にそれしかできないのかがわからないので難しいとこぼしていましたね。

2009年大会について

この年について語っていた部分が個人的には一番面白かったですね。

パンクブーブーが満票で優勝し、笑い飯が鳥人で紳助から100点を獲得、その後チンポジのネタで失速してしまった大会でした。

まず、紳助は笑い飯が鳥人を2本目に持って行ってたら優勝していたと語っています。

チンポジのネタを1本目にしていたらさすがにやばかったけど、もう少しまとまったネタをかけていたら最終決戦に上がることもできていたと話していますね。

その理由は他のファイナリストのレベルが低かったからだそうです。

2009年大会で披露されたネタは紳助にとってフラストレーションが溜まるものが多かったらしいです。ネタが始まってすぐに「あ、これダメだ」「なにしてんねんこいつらアホか」と感じてしまうネタが多かったそうです。

その中でパンクブーブーだけがちゃんとM-1にかけられるネタを用意していた、開始1分の時点でパンクブーブー(もしくは笑い飯)の優勝は決まっていたと話していました。

こないだ初めて審査員やった宮迫が言ってたんですよ、「M-1は4分だからネタを見ながら入ったら終わりですよね。」ってそうやねん。ジャブ打ったらあかんねん。ボクシングでいったら12Rやねん。世界戦の最後12Rっていうのは3分だけど始まった瞬間ボクサーが飛びかかるよね。死に物狂いで。そん時に相手を見るとか、ジャブを打つとか、ボディを打つとかしませんよね。完全に相手のアゴを目がけて、相手を倒すためにアゴを狙って打つ。死に物狂いで3分間アゴを撃ち続けるのがボクシングの12R目なんだと、まさにM-1もそうでなくちゃだめ。

宮迫は過去のM-1のVTRを全部見返して入った段階で見に入ってはいけないと気づいたそうですが、それをボクシングに例えるところが紳助らしいですね。

にも関わらず、毎年何組か分かってないやつがいる。普通のボクシングの試合の4R、8R、10Rを戦うような戦い方をしてくんねん。多分、普段漫才の舞台で15分とかの待ち時間をゆるーい漫才して、10分持たせろとかやってるからその名残で、その習慣でそういうネタをしてしまうと。なんで宮迫が一発見て気づいたことを出てるやつらは気付かんのかな。この年も多くのコンビが、でてきて15秒で「ダメ!」って思ったね。こいつら何考えてんねやろと。

このようにボクシングの例えをした後、ボクシングの12R目のようにちゃんとスタートからラッシュをしているのはパンクブーブーだけだったので優勝も当然と豪語していました。

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