漫才のスタイル・型まとめ!②漫才コントを分析

お笑い論

はじめに

今回は漫才の型まとめの第2弾として漫才コントについて書きたいと思います。

前回の記事はこちら

よく、漫才とコントの違いや境界線について話されることがありますが、漫才中にコントをおこなう漫才コントというものは果たして漫才なのでしょうか、コントなのでしょうか

今回はコント漫才を行うコンビをいくつか取り上げてその型について考察したいと思います。

漫才コント師たち

サンドウィッチマン /オーソドックスタイプ

漫才コントについて話す上で欠かせないコンビです。

最もオーソドックスな2人ともコントの設定に入る漫才を行います。

パンクブーブーやアンタッチャブルもこのタイプですね。

サンドウィッチマンはハンバーガーショップというネタでキングオブコントの決勝に出たこともありますが、このネタは漫才の形で披露されることも以前はありました。

また、m-1の優勝ネタであるアンケートとピザ屋は共にエンタの神様でコントで披露されています。

サンドウィッチマンは自分たちのこともコント師であると話すこともあります。

m-1でもキングオブコントでも披露できるネタを持っていることから漫才とコントの境界を話す時によく引けあいに出されるコンビです。

彼らは、美容院のような、鏡や椅子をネタに使うコントは漫才ネタには落としていませんので、センターマイク一本で行えるかどうかで漫才とコントの線引きができるような気がします。

おぎやはぎ/俯瞰タイプ

おぎやはぎも漫才コントを行います。

彼らの漫才コントの特徴は、サンドウィッチマンのように2人ともコントインするのですが、ツッコミの際に矢作がコントの中のキャラクターとしてではなく素の矢作としてツッコミをいれることです。

彼らのネタの結婚詐欺師を見ると、途中結婚詐欺師の小木と女性の矢作のコント設定でネタが進むのですが、ツッコミの際にはなぜその発言をしたのかという目線で矢作がつっこむため、コントでは再現不可能な漫才として成立しているのがわかります。

ボケの小木もその際にコント中の心境を話すことでボケを広げたり漫才の筋のストーリーを俯瞰的にみた視点でやりとりを繰り広げるのがおぎやはぎの起こしたコント漫才革命と言えるでしょう。

ちなみに、m-1で優勝した時の中川家はネタの一部でツッコミの礼二のみがコント設定を続けボケの剛は外側の目線からボケるという手法を用いています。

スーパーマラドーナ/実況タイプ

おぎやはぎの俯瞰目線の亜流に感じますが、スーパーマラドーナはボケのみがコントの設定にはいり、ツッコミは終始コントの設定に入ることはなく見てる側の立場でツッコむというものもあります。

これは田中が過去に起きたことを回想するもいう設定でネタを切り出すことからできる発明的なことだと思います。

武智はあくまで過去に起きた出来事の再現を見ている立場のため、田中の支離滅裂な言動をツッコミはしますが、過去の出来事のためそれを止めたり訂正したりする手段を持ち合わせていません。

また、ひとりの人間のみがコントインすることで、ボケの途中で登場したパンティをずっと被っていたというボケを最後に持ってきたり、コント中の主軸人物がボケの田中ではない別人だったりと叙情トリックを使ったボケも成立させています。

チュートリアル/憑依タイプ

個人的に漫才コントよりも漫才とコントの境目を曖昧に感じさせるのは、このコンビの憑依漫才です。

このコンビのネタは一見しゃべくり漫才ですが、ボケの徳井は意識的にボケることがあまりなく、終始ボケの認識なく異常なことをいう狂人を演じきってネタを終えるところに特徴があります。

話している内容自体はしゃべくり漫才ですが、キャラクターに設定を持たせていることからある種コントの要素もあると感じます。

ただ、徳井にキャラクターが憑依したときの破壊力は凄まじく、そのパワーでm-1グランプリの完全優勝を果たしたコンビです。

さらば青春の光/メタタイプ

こちらのコンビは漫才コント中に役を入れ替えたり増やしたりすることで、コント設定を破壊する娘さんをくださいという名作を生み出しました。

2010年にジャルジャルがM-1で披露したネタもメタ設定を使ったものでしたが、ジャラジャルはその後しゃべくり漫才を磨き上げて行きましたね。

さらば青春の光は能というネタでM-1グランプリの決勝に出たこともありますが、そこではしゃべくり漫才を披露しました。

ただ、そのネタも上記のチュートリアルのように東口がボケという認識を持たせることなく淡々と話を進めるところがすこし憑依タイプのようにも見えました。

コント師としても異彩を放つさらば青春の光ですが、漫才になってもそのセンスからいろんなネタの切り口ができるのは彼らの大きな強みになっています。

まとめ

前回は漫才のタイプ分けをしましたが、今回は漫才コントをいろいろなタイプに分けてみました。

漫才はこれからも色々なスタイルが生み出されていくのが楽しみですね。

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