お笑いの王道設定「タクシー」のネタまとめ!! 芸人ごとの違いを徹底比較!!

芸人別:タクシーネタ芸人

「タクシー」はネタの王道設定!!

お笑い芸人は、漫才やコントを作る時、様々な設定でネタ作りをします。

よくある設定としては、日常生活で誰もが経験したことのあるシチュエーションを想定し、その中でボケとツッコミをすることで笑いを取ろうとするというパターンが挙げられます。

「医者と患者」「コンビニ店員と客」「先生と生徒」などは、多くの人が情景をイメージしやすく、ネタとして作りやすいシチュエーションと言えます。

実際、多くの芸人がこうした設定のネタを作っており、特にサンドウィッチマンなどはこうした日常的な設定でのネタが多いです。

そんな中、ネタの設定として最もありふれたものは、「タクシー」ではないでしょうか。

目的地まで行くという流れ・ゴールが明確で、運転手と乗客のやり取りが発生する上、誰もが体験したことのあるシチュエーションであるため、ネタの設定としては最適であるように思えます。

実際、多くの芸人が「タクシー」のネタを持っています。

しかしながら、「タクシー」という設定は同じでも、そのネタは芸人ごとに大きく異なる展開や世界観を持っています。

ここでは、あえて「タクシー」という同じ設定のネタを比較することで、芸人ごとにどんなネタ作りを得意としているのかを考察していきたいと思います。

芸人別「タクシー」ネタまとめ!!

サンドウィッチマン

サンドウィッチマンは、ネタの中に奇抜な設定や仕掛けを用意するのではなく、日常的にありふれたシチュエーションをネタにすることを得意としています。

サンドウィッチマンのネタと言えば、ピザ屋やファストフード店、街頭インタビューなど、身近な経験をテーマにしたものを思い浮かべる方が多いでしょう。

「タクシー」のネタについても同様で、シンプルでオーソドックスなボケ・ツッコミでネタを作り込んでいます。

乗客として乗り込んだ伊達に対して「どの車を追えば?」→「警察じゃねぇんだよ」とやり取りをしたり、「五反田まで」→「オランダ!?」と聞き間違えたりなど、良い意味でベタに笑いを取ります。

使い古された王道の設定でも、純粋にコントとして笑いが取れるサンドウィッチマンは、流石と言えます。

千鳥

今や飛ぶ鳥を落とす勢いでブレイクしている千鳥も「タクシー」のネタを持っています。

ネタの大筋は非常にシンプルで、乗客のノブが「なんばグランド花月まで」と目的地を伝えるのですが、何度言っても運転手の大悟にブルーベリー畑に連れて行かれるというものです。

千鳥の漫才は友達同士が延々ふざけ合っているようであり、本人たちが本気で漫才を楽しみながらやっていることが伝わってきます。

ボケの内容としては同じことの繰り返しで、千鳥の漫才を文字に書き起こしても恐らくそこまで面白くないでしょう。

しかしながら、漫才を楽しみながらやっている2人の様子を見ていると不思議と笑えてきます。

千鳥の他のネタも同じような構造のものが多いのですが、それでも漫才師として評価されているのは、同じことを繰り返す漫才の見せ方が非常に上手いためでしょう。

フットボールアワー

フットボールアワーは2003年のM-1グランプリの決勝ラウンドで「タクシー」のネタを披露して見事優勝しています。

そのネタは「SMタクシー」で、岩尾がSMの女王様のような運転手としてボケるというものです。

ベタな設定であるタクシーにSMという要素を加えることで、真新しいネタに昇華しています。

「(アクセルについて)もっと踏んでほしいかい?」「時速2キロで行ってやろうか!」といったボケは、タクシー×SMという設定ならではです。

岩尾の愛くるしいキャラクターと後藤の鋭いツッコミが活きている素晴らしいネタでした。

フットボールアワーは、SM美容院など、その他の設定でもSMと掛け合わせたネタを持っています。

2003年を含むM-1グランプリの様子は、Amazonプライムビデオで観ることができます↓

ぺこぱ

2019年のM-1グランプリ決勝で、ぺこぱも「タクシー」のネタを披露しています。

ぺこぱは「ノリツッコまない漫才」と呼ばれる、ツッコミと見せかけてボケを肯定するというスタイルで、ベタなタクシーネタをぺこぱ独自の漫才に進化させました。

ぺこぱの漫才は、ボケ→ツッコミという通常の漫才の型を裏切ることで笑いを生んでいるため、あえて誰もが見たことがあるようなベタな設定を選んだのでしょう。

この新しいスタイルの漫才は大爆笑を生み、ぺこぱはM-1決勝初登場にしてファイナルラウンドに進出し、大きな爪痕を残しました。

以下の記事ではぺこぱの「ノリツッコまない漫才」がなぜプロの芸人に絶賛されたのかについて解説しています↓

空気階段

空気階段は2019年のキングオブコントの決勝で「タクシー」のネタを披露しています。

鈴木もぐらが運転手を演じるタクシーに、水川かたまり演じる同じ顔をした男が入れ代わり立ち代わり客として現れるという、空気階段らしいダークで不思議な設定が上乗せされたネタです。

普通の「タクシー」という設定に、ドッペルゲンガーという不気味な要素を掛け合わせることで、空気階段独自のネタに仕上げています。

奇抜な設定ながら、しっかりした構成で、最後は更にもう1人同じ顔の男がいるかもしれない、と匂わせて余韻を残す素晴らしいネタでした。

シソンヌ

シソンヌは2014年のキングオブコント決勝で「タクシー」のネタを披露して、見事優勝しています。

シソンヌは失恋した女性とそれを慰めるタクシードライバーという設定で、シソンヌらしい世界観を作り上げました。

シソンヌのネタはコントというよりもはや演劇で、ピンポイントで面白いセリフや言い回しがある訳ではなく、シチュエーション自体の面白さを切り取った笑いを得意としています。

この年は、準決勝で敗退した芸人が審査員として採点するという方式をとっており、シソンヌのネタは同業の芸人たちから評価されたことになります。

観客にウケることはもちろん、シソンヌの緻密な構成力と演技力に裏付けされたネタは、同じネタ作りを行っているプロにこそ評価されるのでしょう。

ベタなタクシーの設定で真正面から優勝したシソンヌは本物のコント王者だと言えます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

同じ「タクシー」という設定のネタでも、芸人ごとに内容や展開が全く異なることがわかります。

同じ設定のネタを比較することで、芸人ごとの違いが浮き彫りになって興味深いです。

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