お笑い芸人が監督した映画作品まとめ!! 名監督はビートたけしだけじゃない!?

アウトレイジ芸人
アウトレイジ

はじめに

お笑い芸人は人を笑わせることが仕事ですが、彼らの才能はお笑いの世界だけに留まりません。

北野武(ビートたけし)や松本人志を筆頭に、多くの芸人が映画監督としても成功を収めています。

テレビ番組やネタの構成を考えることと、一本の映画作品を作ることにはどこか通じるものがあるのでしょう。

本業はお笑い芸人でありながら、専業の映画監督にも負けないレベルの素晴らしい作品を多く生み出しています。

ここでは、お笑い芸人が監督した映画作品を、芸人ごとに一覧形式でまとめています。

お笑い芸人が監督した映画まとめ

北野武の監督映画

芸人の映画監督と言えば真っ先に名前が挙がるのが北野武(ビートたけし)でしょう。

彼の映画作品は、日本国内ではもちろん、海外でも高い評価を得ています。

「世界のキタノ」は、芸人映画監督という枠にとらわれず、邦画の歴史を語る上で欠かせない人物です。

ちなみに、芸人として仕事をする際には「ビートたけし」の名前を使い、文化人として仕事をする際には「北野武」の名前を使っているそうです。

『ソナチネ』

『ソナチネ』は1993年に公開された、北野武の4作品目の映画です。

沖縄を舞台として、2つの組の間で繰り広げられている抗争に、助っ人として送られたヤクザ幹部の男を描いた作品です。

映画のキャッチコピーは「凶暴な男、ここに眠る。」で、北野武の哲学と死生観が感じられる名作です。

北野武自身も、一番思い入れのある作品として『ソナチネ』を挙げています。

この作品はロンドン映画祭やカンヌ国際映画祭でも上映され、ヨーロッパでも高い評価を受けました。

『座頭市』

『座頭市』は2003年に公開された、北野武主演の時代劇です。

盲目の剣客で、居合切りの達人である「市(いち)」とヤクザの銀蔵一家との闘いを描いた作品です。

コントもあれば歌も踊りもあるといった往年の娯楽時代劇の要素を取り込んだ作りになっており、エンターテイメントとして楽しめる映画となっています。

日本国内の観客動員数は200万人で、北野映画最大のヒット作となりました。

『アウトレイジ』

『アウトレイジ』は2010年に公開された、北野武の15本目の映画です。

その後、『アウトレイジ ビヨンド』『アウトレイジ 最終章』と続編が公開され、3部作で完結しています。

小さな暴力団の組長・大友(ビートたけし)がヤクザ界の生き残りを賭けた壮絶な権力闘争に巻き込まれていく様子を描いた作品です。

「全員悪人」というキャッチコピーの通り、それぞれの登場人物が様々な思惑を巡らせながら、自分の利益の為に裏切り・殺しなど何でもありの手段を使っていく様子は非常に面白いです。

過激なバイオレンスシーンや拷問シーンが数多く含まれるため、R15指定されています。

松本人志の監督映画

笑いのカリスマである松本人志も、映画監督として活躍しています。

松本人志はその豊かな想像力から、他の映画監督では思いつかないような奇抜な設定の映画を作りました。

独自の感性から作られる映画は、一般人には理解されない場合もあるようですが、松本人志の世界観が好きな人にはたまらない内容となっています。

『大日本人』

『大日本人』は2007年に公開された、松本人志監督映画のデビュー作となる作品です。

松本人志は監督と同時に、主演と脚本も務めています。

松本が演じる変身ヒーローの日常や戦いをドキュメンタリー風に描いている映画で、普通の人間が巨大化して戦う日々や苦悩、周囲の人間の反応などを描いてます。

どことなく『ダウンタウンのごっつええ感じ』でのコントを思い出させるような内容で、松本人志のコントが好きだった方は、かなり楽しめる内容となっています。

松本人志は、この映画の構想に5年の歳月を費やしたそうです。

2007年のカンヌ国際映画祭では監督週刊部門に正式に招待されました。

『しんぼる』

『しんぼる』は2009年に公開された、 松本人志が監督する映画の2作目となる作品です。

『大日本人』と同様、自身が監督・脚本・主演を務めています。

水玉のパジャマを着た謎の男が、目を覚ますと四方を白い壁に囲まれた部屋に閉じ込められており、途方に暮れ出口を必死に探すが見つからなく、様々な方法で脱出しようと試みる、というストーリーです。

1つの部屋で繰り広げられる様々な出来事から、松本人志は何を伝えたかったのか。

非常に考えさせられる内容の映画となっています。

一方、映画情報誌『映画秘宝』において、映画ライターや有名人が2009年劇場上映作品のワースト10を 選ぶ 「トホホ大賞」にて、 この映画は第5位にランクインしています。

観る人を選ぶ映画だと言えるでしょう。

『さや侍』

『さや侍』は2011年に公開された、松本人志が監督する映画の3作目となる作品です。

刀を捨て鞘のみを持つようになった浪人が、藩主に捕まり罪に問われます。

しかし、母を亡くした悲しみで笑顔を忘れてしまった若君に対し、1日1芸を披露し、その間に笑わせることができたら無罪放免、できなければ切腹という試練に挑戦します。

松本人志らしい、笑いをテーマにした作品です。

全国215スクリーンで公開され、 映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第8位となりました。

『R100』

『R100』は2013年に公開された、松本人志が監督する映画の4作目となる作品です。

SMクラブの女王様が日常に登場するようになり、サラリーマンの男がその女王様たちと戦う、という奇抜なストーリーです。

第17回オンライン映画批評家協会賞において、最優秀アメリカ未公開作品10選に選ばれる一方、 『映画芸術』2013年日本映画ベストテン&ワーストテンではワースト5位になりました。

高評価と低評価がはっきり二分されているので、観る人を選ぶ映画なのかもしれません。

内村光良の監督映画

コントのイメージが強い内村光良は、実は若い頃からかなりの映画マニアでした。

元々映画監督を目指して、日本映画学校に入学し、そこで南原清隆と出会ってお笑いの道に進みます。

その後、芸人として大成功した内村は、2006年に初めて映画監督としてデビューし、若い頃からの夢が叶うこととなります。

『ピーナッツ』

『ピーナッツ』は2006年に公開された、内村光良が監督する映画の1作目となる作品です。

監督・脚本・主演の全てを内村光良が務めており、さまぁ~ずやTIM、ふかわりょうといった『内村プロデュース』のレギュラー陣が出演しています。

かつての草野球チームの名門「ピーナッツ」において伝説のサードと呼ばれた主人公が、弱小チームと化してしまったピーナッツの建て直しに取り掛かる、というストーリーです。

おじさんになった元野球小僧たちが、人生に悩みつつも前向きに生きる勇気を取り戻していく姿をコミカルに描いた作品となっています。

『内村プロデュース』が好きだった方にとってはたまらない作品となっています。

『ボクたちの交換日記』

『ボクたちの交換日記』は2013年に公開された、内村光良が監督する映画の2作目となる作品です。

森三中大島の夫としても有名な放送作家・鈴木おさむのベストセラー小説「芸人交換日記 ~イエローハーツの物語~」を映画化したものです。

お笑いに情熱を傾けてきたものの、結成12年目になっても売れない芸人コンビが、本音を語り合うために交換日記を始めるという話です。

売れない芸人の生活と苦悩を描く、非常に引き込まれる作品となっています。

『金メダル男』

『金メダル男』は2016年に公開された、内村光良が監督する映画の3作目となる作品です。

監督・脚本・主演の全てを内村光良が務めており、 2011年に上演された内村の1人舞台『東京オリンピック生まれの男』を映画化したものです。

ごく普通の少年として育っていた主人公が、小学校の運動会で行われた徒競走で一等になったことをきっかけに、 書道、絵画、火起こし、大声コンテストといった様々な大会で一等賞を取っていくという話です。

笑いあり涙ありの心温まる作品となっています。

この映画は全国210スクリーンで公開され、 国内映画ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となりました。

劇団ひとりの監督映画

芸人だけでなく俳優や作家としてもマルチな活躍をしている劇団ひとりですが、映画監督としても作品を残しています。

映画監督として残した唯一の作品が『青天の霹靂』ですが、これは自身の書いた小説を実写映画化したものです。

芸人としての劇団ひとりが好きな方は、この映画で劇団ひとりの新たな顔を観ることができるかもしれません。

『青天の霹靂』

『青天の霹靂』は2014年に公開された、劇団ひとりが監督する映画のデビュー作となる作品です。

大泉洋演じる売れないマジシャンが40年前にタイムスリップし、若き日の両親と出会い、自らの出生の秘密を知るという話です。

劇団ひとり本人も、若い頃の主人公の父親役を演じ、大泉とコミカルなやりとりを行います。

家族の大切さを教えてくれる感動の作品となっています。

品川ヒロシの監督映画(品川庄司)

品川庄司の品川祐も、映画監督として作品を残しています。

元々小説家としても活躍していた品川ですが、『ドロップ』で自身の小説を映画化して監督デビューします。

ビートたけしと同様に、芸人として活動する際は「品川祐」の名前を使い、作家や監督として活動する際は「品川ヒロシ」の名前を使うという形で芸名を使い分けています。

『ドロップ』

『ドロップ』は2008年に公開された、品川ヒロシが監督する映画のデビュー作となる作品です。

自身の青春時代を描いた小説『ドロップ』を映画化したもので、自ら監督・脚本を務めています。

平凡な中学生だった主人公が不良の世界に飛び込み、喧嘩ばかりのハードな日々を通して友情や愛情を知るというストーリーです。

友情、笑い、感動の全てが盛り込まれている作品で、男の友情とはこういうものだ、という熱い気持ちにさせてくれる名作です。

『漫才ギャング』

『漫才ギャング』は2011年に公開された、品川ヒロシが監督する映画の2作目となる作品です。

自身の小説『漫才ギャング』を映画化したもので、自ら監督・脚本を務めています。

佐藤隆太と上地雄輔のダブル主演です。

コンビ結成10年目を迎える売れない芸人がトラブルに巻き込まれて留置所に入り、そこで出会った不良と漫才コンビを組むというストーリーです。

暗い気分を明るくしてくれるような、勇気づけられる作品となっています。

『サンブンノイチ』

『サンブンノイチ』は2014年に公開された、品川ヒロシが監督する映画の3作目となる作品です。

木下半太の小説『サンブンノイチ』を藤原竜也主演で、品川ヒロシが監督しました。

人生の大逆転を狙う小悪党3人が銀行強盗で奪った大金の分け前をめぐり、壮絶な争いを繰り広げるという話です。

藤原竜也、田中聖、小杉竜一ら豪華なメンバーの個性が活きている素晴らしい作品です。

板尾創路の監督映画

板尾創路はシュールな芸風でお笑い芸人として活躍する一方、俳優としても様々な作品に出演し、その演技力には高い評価を受けていました。

そんな彼は2009年に『板尾創路の脱獄王』で映画監督としてデビューします。

板尾創路はその独特の感性から撮ることのできる唯一無二の作品を輩出し続けています。

『板尾創路の脱獄王』

『板尾創路の脱獄王』は2010年に公開された、 板尾創路が監督する映画のデビュー作となる作品です。

自身が監督・脚本・主演を務めています。

どんな刑務所・拘置所に収容されても驚異的な身体能力と奇想天外なアイディアで脱獄する男の話です。

最初は食い逃げで捕まっただけの男が、脱獄によってどんどん刑期が延びていっていき、しかも何度脱獄しても必ず線路沿いで身柄を拘束されるという理由に迫るというストーリーです。

板尾創路らしさが前回の面白い映画となっています。

『月光ノ仮面』

『月光ノ仮面』は2012年に公開された、板尾創路が監督する映画の2作目となる作品です。

本作品も、 板尾創路本人が監督・脚本・主演を務めています。

古典落語「粗忽(そこつ)長屋」をモチーフに、記憶をなくした男と恋人、そして彼と戦場を共にした男が織り成すストーリーです。

昭和22年のある晩、 擦り切れた軍服を身に着けた男(板尾創路)がいきなり寄席小屋に入って高座に上がり、つまみ出されます。

そこに偶然女(石原さとみ)が通りかかり、その男こそが戦前に一世を風靡した若手落語家で、彼女のいいなずけだった森乃家うさぎだと明言するというというシーンから話が始まります。

「理解不能」 という評価をされる場合もあるようで、 観る人を選ぶ作品であることは間違いないでしょう。

『火花』

『火花』は2017年に公開された、板尾創路が監督する映画の3作目となる作品です。

ピース又吉が芥川賞を受賞した小説『火花』を菅田将暉、桐谷健太ら出演で実写化した青春ドラマ です。

漫才の世界に飛び込んだものの結果を出せずにいる男と先輩芸人を通して、厳しいお笑いの世界で切磋琢磨する若者たちの姿を描いた作品です。

型破りな先輩の漫才師と主人公の関係性が見事に描かれており、芸人が原作を務め、映画監督を務めたからこそ作ることのできた素晴らしい作品となっています。

木村祐一の監督映画

かつては「オールディーズ」という漫才コンビで活躍し、今はピン芸人として活動している木村祐一も、映画監督として作品を残しています。

様々な映画やドラマで俳優として活躍し、伝説のコント番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』では構成作家として働くなど、 木村祐一はマルチな才能を見せています。

そんな木村祐一は、2009年の『ニセ札』で映画監督としてデビューします。

『ニセ札』

『ニセ札』は2009年に公開された、 木村祐一が監督する映画のデビュー作となる作品です。

1950年に実際に起こった偽札事件をモチーフにしています。

信望の厚い小学校教頭がニセ札作りに加担していく姿をスリリングに描いた作品です。

貧しい村のために村ぐるみでの偽札作りへと発展していく様子が非常に興味深い内容です。

お金が第一になってしまっている現代の拝金主義を笑い飛ばす痛快な作品に仕上がっています。

『ワラライフ!!』

『ワラライフ!!』は2011年に公開された、木村祐一が監督する映画の2作目となる作品です。

しずるの村上純が主演で、木村祐一が自らの体験をもとにしたハートフルストーリーです。

東京で一人暮らしをする主人公が結婚を控えている恋人と二人で暮らす部屋を探しており、久々に実家を訪ねたことをきっかけに家族にまつわる様々なことを思い出す、という内容です。

「明日が今日より幸せになる。」 というキャッチコピーで、自分の子供の頃を思い出すような素敵な作品です。

ゴリの監督映画(ガレッジセール)

ガレッジセールのゴリも映画監督として作品を残しています。

自身の出身である沖縄を舞台にした作品がメインで、沖縄のゆったりとした空気が感じられる素敵な作品が多いです。

『南の島のフリムン』

『南の島のフリムン』は2009年に公開された、 ゴリが監督する映画のデビュー作となる作品です。

沖縄の養豚場で働く男が、行きつけのバーで新人のアメリカ人ダンサーのオレンジに一目惚れし、 同じく彼女に惚れた米軍兵と彼女を賭けた決闘に臨むことになるというストーリーです。

ゴリ自身が主人公を演じており、笑ってちょっぴりほろりとする感動の人間ドラマを描いています。

『洗骨』

『洗骨』は2019年に公開された、ゴリが監督する映画の2作目となる作品です。

奥田瑛二が主演で、ゴリが脚本と監督を務めています。

一度土葬や風葬をした後に海水や酒で遺骨を洗い、再び埋葬するという沖縄県の風習「洗骨」を通して家族の絆を紡いでいく姿を描いた作品です。

妻を亡くした男が、数日後に控えた洗骨の儀式を前にして様々な出来事に直面するというストーリーです。

ユーモアを交えながら家族や先祖の絆を描いた名作ですので、是非一度は観てみると良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

意外に多くの芸人が映画監督として作品を残していることに驚いたのではないでしょうか。

好きな芸人については、お笑い以外の分野での作品も観てみると面白いかもしれません。

これからも新たな作品が作られることが楽しみですね。

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