もしも芸人が数珠繋ぎでネタを作成したら?水曜日のダウンタウン企画の考察

テレビ番組

はじめに

2020年3月5日放送の水曜日のダウンタウンで、とても興味深い企画が放送されました。

ナイツ塙の提案した企画ですが、面白い芸人がネタを数珠繋ぎに作って行ったら最高のネタができるのではないかという企画です。

今回は塙が導入を作ったタクシーのネタを導入にして非常に豪華メンバーがネタを作り上げ、実際に何も知らないお客さんの前で披露するといういう形で行われました。

結論は、ネタはそれぞれがつなぎ当て作るので、まとまりには欠けていましたが、それぞれのコントの作り方や性格が出ながら全体としての整合性をとる努力の跡も見え、非常に興味深い内容になっていましたね。

キングオブコントのチャンピオン3人と、ネタ作りの力は折り紙つきの板倉、森田を加え最後を締めるのは作家業や脚本も手掛けるバカリズムというとんでもない豪華メンバーが集まりました。

この企画をある程度ガチで取り組む番組の気合を感じる人選ですね。

肝心のネタを演じるのがかまいたちというのも完璧です。

コントも漫才も行い、さまざまなタイプのネタを行えてボケとツッコミ共に実力が高いこのコンビでしたら今回の説もある程度説得力のあるものになるでしょう。

今回参加の芸人についてと、ネタの感想を書いていきたいと思います。

数珠繋ぎ参加芸人

ハナコ秋山

ナイツ塙が指名したのはハナコの秋山でした。

ハナコ面白いと思いますよ。秋山は営業行ってもずっとネタ作ってますからね。

キングオブコント優勝も果たした若手の実力派はやはりプロの芸人の評価も高いようですね。

誰が後ろをやるっていうのがわからないですけど。面白い方へは向かって行ってると思います。

「あれ?出れないぞ?出られた」「なんなんすか」

タクシーの事故を起こした運転手が座席から出てくるまでのやりとりという前の設定を引き継ぎ笑いを使っていましたね。

完全に設定だけ与えられた一発目というところで苦しい役回りではありましたが、二人の掛け合いで笑いを作るなど導入を作りました。

シソンヌじろう

この先が大事ですよね。真ん中でやっぱり問題提起というか、最後に繋がなきゃいけないんで何か起こさなきゃダメですよね。

ここが、コントの起承転結の中では起の役割を果たしていましたね。

「こいつも出れたんですね」

事故を起こしたという状況に脱糞をしている、ネコが挟まってしまっているという設定を作り、コントの軸になるような現象を起こしました。

シソンヌで脱糞といったら名作「同居人を」を彷彿させますね。

シソンヌは日常の世界の枠組みを大きくは逸脱しない設定でコントを作ることが多いので、自分の色を出しながらしっかり後に回収される伏線を張っていました。

笑いながら山内が喋るシーンはシソンヌっぽくもありながら普段のかまいたちのネタの雰囲気もあり、うまく融合していましたね。

インパルス板倉

全部一人で作るよりも難しいですね。前の人のを汲み取らないといけなかったり、あと祈りみたいのが出てきますね。後の人ちゃんと拾ってくれるかな、って不安とか。

関東のコント職人のリレーがしっかりつながりましたね。

ここはまさに承の役割を果たしましたね。

「まずは警察に連絡でしょ」「急にまともになった!」

「戻せましたっけ?これ?」(お尻を指差しながら)

「轢いたのはネコですからニャン身事故ですかね」

「ウンコを漏らしているので人糞事故とも言えますね。」

前のシソンヌじろうが残したキーワードをしっかり笑いにつなげているのが流石ですね。

ニャン身事故など後にも使われるパワーフレーズを作っているのも凄いですね。

このあたり、テンポを早くして言葉の面白さとキレのあるツッコミで笑いを取るところがインパルスの色も出ていますね。

さらば青春の光森田

めっちゃむずかったです。僕やっぱり設定を考える方を専門としてるんで、これを繋げるっていうのが難しかったですね。

さらば青春の光は設定の妙をそもそも作り込むタイプなので、途中まで設定ができているネタというのは苦戦したようですね。

「ニャン身事故?そうなんですよ。人糞事故?それもあるんですよ」「実際にある言葉なん?これ?」

「変な奴と変な奴が変なことでずっと揉めてる」

ボケが違う人物と喋っているのを俯瞰目線でツッコむというのはさらば青春の光のネタでもよくありますね。

前の人が出したボケのワードを誰かの会話が成立という仕掛けを作ることで大きな笑いに繋げているのが凄いですね。

ここも、さらば青春の光っぽいネタの仕掛けになっていますが山内がその場にいない人と喋ってる風演技をして濱家がその様子にツッコむのはかまいたちのネタでも良くあるのであまり違和感はなかったですね。

ロバート秋山

自分の作り方しかわからないんで本当に。でも自分が好きな感じにはなりました。

宣言通りのネタになっていましたね。笑

「待って…!来た…!凄くいいぞその詩。変な奴と変な奴が変なことで揉めてる〜♪あ、申し遅れました。私川南鳳月と申します。」

潔いほどの設定を無視し、人のネタでも秋山が書いたことが即座に分かるくらいにそのワールドを出しましたね笑

森田がネタの最後に「あ、警察だ!」と次に繋がりかつ転換を出来るような展開を残しているのにそこも無視してますね笑

秋山のネタはとても個性的で、ブロック単位でもその色が出ていますが、最後に山内も言っていたように、秋山の表現力で魅せている部分が多分にあるのでかまいたちも難しそうでしたね。

再現性があまりなく、唯一無二の個性を持っているのがロバートの強みなのでしょう。

この作り方しかできないと言ってネタでも世界観を出すところは格好良かった出すね。

バカリズム

面倒くさいことにしてくれたなぁ〜

誰に向けた言葉かはわかりませんが、おそらく秋山でしょう笑

バカリズムは、それまでに数々の芸人がつなげたネタのまとめという最も難しいポジションを任されましたね。

特に、途中までは山内と濱家の掛け合い、一つ前の秋山が歌手が歌を歌うという展開に広げたため回収はとても難しくなりました。

着地は自動車教習所の講習という設定にしたことで展開をさせつつこれまでの支離滅裂なやりとりもある程度辻褄があうようにしたのが見事でした。

かまいたちの演技が少し棒だったのは色々な芸人のネタを演じ分ける難しさに加えて、オチがこの形のため敢えてそうしていた部分もあったようにも感じますね。

脚本なども手がけるバカリズムの力で強引にですがコントもまとまりましたね。

まとめ

途中途中に書いたように前のネタのフリを回収して新しい笑いの種を植えることが見事にリレーしていったとても興味深い内容でしたね。

秋山のようにネタの個性がはっきりしていると兼任でのネタ作りは不向きになるというところもとても興味深ったです。

今回はコントでしたので是非富澤や塙、水田などで漫才のネタもリレー形式で検証してみてほしいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました